「一家に1枚 天体望遠鏡400年」について

フィールドスコープについてなぜ、私たちは夜空を見上げ、宇宙を調べるのでしょうか。私たちの住む「世界」を知りたいからです。私たちはどこに住み、どこからきてどこに行くのか、このような人類の根源的な疑問の答えを見いだすのが天文学です。答えを見つけるべく宇宙を調べるためには、しかるべき「道具」、すなわち望遠鏡が必要です。望遠鏡が発明され、イタリアの科学者ガリレオ・ガリレイが夜空に向けると、肉眼では見えなかった月のクレーターや木星の衛星などが初めて見えました。そして当時考えられていた宇宙像を覆すことになりました。新しい観測技術が生み出されると、これまでに見えなかった天体やその構造が観測できるようになって発見につながり、宇宙観を変えることになります。また新しい発見と同時に、新たな宇宙の謎が生まれます。それを解明すべく、天文学者や技術者は技術革新を行い、更に高性能の望遠鏡を作ろうと努力しました。科学的発見の裏にはそれを支える工学技術の発展が必要です。望遠鏡の進歩はこの繰り返しです。こうして天体望遠鏡はより細かく暗い天体を見ようと大型化されたり、プリズムで光を虹色にわけるような分光技術を観測に取り入れられたり、更には目で見える可視光線以外の光(電磁波)でも観測が行われるようになったりと、目的に応じて多様化してきました。今年2009年は、ガリレオが初めて望遠鏡で宇宙を観測してから400周年にあたり、「世界天文年」に制定されています。更に日本のすばる望遠鏡1) が、初観測から10周年を迎えます。この節目の年に、ガリレオの望遠鏡からすばる望遠鏡までの天体望遠鏡400年の歴史をポスターに描きました。

 ハワイ・マウナケア山頂に建設された、国立天文台の光学赤外線望遠鏡。世界最大級の単一鏡、口径 8.2m の主鏡を持つ。1999年に初観測を行ってから10周年を迎え、今年秋に東京で記念行事を行いたいと考えている。

 左上タイトルの下5行に、ポスターの主旨を書きました。「望遠鏡の進歩とともに、どのような宇宙が見えてきたのでしょうか。」と問いをなげかけ、その答えを各自ポスターの中で見つけていただく形式にしています。メインの年表には、可視光線を観測する光学望遠鏡の歴史だけでなく、途中から電波での観測が始まり、さらに赤外線やX線でも観測されるようになるという、観測可能な電磁波の種類が増えていく様子も描いています。右下の結びの部分では、現在天文学者たちが挑んでいる未解決の謎を挙げ、「宇宙・解き明かすのはあなた」という世界天文年の標語で結んでいます。言うまでもなく、この言葉には未来の天文学者、技術者となる子供たちへのメッセージが込められています。この5行+結びのメッセージは、左上のタイトル+5行の問題提起と呼応しています。

 新しい望遠鏡で何が観測されて何がわかったのかを表記することで、この年表が単なる望遠鏡の「カタログ」とならないよう工夫しました。また、望遠鏡の発達と航海術、写真乾板、CCDなど生活に関わりのあるものとの関係を記載しました。大きな技術革新のあった望遠鏡、宇宙観を変えるような大きな科学的発見のあった望遠鏡を厳選して数を増やさないことにより、ポスターとして見やすいデザインにするよう心がけています。

ちなみに、より望遠鏡情報(望遠鏡通販)はこちら http://www.hobbyboenkyo.com/までによろしく。